
先輩に「商談は事前準備が重要だ!」と言われたものの、やり方が分からない…。



ここまで”我流”で事前準備をしてきたが、もっと効果的で効率的な方法を知りたいな。



事前準備の大切さ・やり方を教えたいので「コレ、見ておいて!」と言える記事を探してる。
この記事は、こんな疑問を抱いている人に対して下記の内容がわかる記事です。
本記事のサマリ(概要)
- 事前準備の質が、商談の成果を何倍にもする
- 商談の事前準備は、「いつ」「どれくらい」やるべきか?
- 商談の事前準備、19のチェックリスト
- 商談前に、事前に仮説を立てよう
結論、19のチェックリストだけでも実施できれば、あなたの商談レベルは爆上がりするはずです。
本記事の信頼性(誰が書いてるの?実績あるの?)


- 営業歴は12年以上。BtoB営業が得意。
- 元リクルートのTOP営業(個人表彰・マネージャー表彰、多数)
- 現場型の経営・営業コンサルティング会社経営
- 中小・ベンチャー企業の営業支援・成果出しの実績、多数
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※Twitterはコチラ(@sales_farm_jap)
そんな私が書いたこの記事を読むことで、
- 商談の事前準備の重要性とやり方が分かる
- 今よりも成果に繋がりやすい事前準備の方法が分かる
- この記事をシェアするだけで、メンバーの教育ができる
こんなことが実現できるようになります。それでは、お話ししていきます。
参考記事>>>【総まとめ】営業の成功率を上げる5つのコツを分かりやすく解説


参考記事>>>【決定版】営業に求められる10のスキルと習得方法を解説


事前準備の質が、商談の成果を何倍にもする


まずはじめに、事前準備がいかに成果に直結するか、重要性についてお話します。
※「もう分かってます!」という方は、一気に19のチェックリストに飛んでくださって構いません。
私も今は、営業を受ける側になることもあるので、今までお会いした営業さんを思い返してみました。
そんな中、一流〜(申し訳ない言い方ですが)三流の営業さんで分類すると、
【三流の営業さん】:行き当たりばったりの商談。(商品案内しかしない)
【二流の営業さん】:情報収集は立派。でも、情報を活用できていない。
【一流の営業さん】:情報収集はもちろん、情報活用(仮説)が素晴らしい。
こんな感じで、商談内容とその後の契約率・契約内容に明らかな違いが出ています。
具体的には、一流の営業さんの提案には私自身、
- その場で決裁(契約)
- 相場より高単価の契約(価値が高いと感じたから)
を行いました。
一方、三流の営業さんの提案は…正直、提案されたかすらも覚えていません。
「高単価の契約」or「提案されたことすら忘れている」を比較するだけでも、成果に歴然の差があるのが理解してもらえると思います。



「商談の前には準備が必要だ」
営業界隈では有名な金言ですが、(肌感覚)9割以上の営業さんは、事前準備をしないで商談に臨んでいると感じます。



「この感覚、正しいかな…?」
ふと、自分の感覚に疑いを持ったので調べてみたところ、こんな調査結果が見つかりました。


「事前準備できていますか?」への回答(300名への質問)


事前準備と、商談の勝率との関係性(300名への質問)
【営業300人に聞きました!】プレゼンや商談の勝率は、事前準備で決まる!準備を十分に行う人の7割が成功と回答
調査結果からは、
- 「事前準備がしきれてない」事実
- 「事前準備ができれば勝率も高い」
ということが分かりますね。
※正直、「もっと準備してない人多い気がするけどなぁ」とは思いました。
事前準備はほとんどの営業マンはやっていないので、しっかり準備するだけで差別化になります。
もし今、事前準備をやっていないのであれば、成果に大きな差が出るので絶対にやるべきです。
商談の事前準備は、「いつ」「どれくらい」やるべきか?


商談の事前準備の大切さをお話しましたので、次は、事前準備の「タイミング」と「準備時間」についてお話をしていきます。
お話しする内容は下記2点です。
- 事前準備を始めるのは、アポが取れてから
- 事前準備に費やすべき時間の目安は?
それでは、具体的にお話ししていきます。
1.事前準備を始めるのは、アポが取れてから


よく「事前準備は、どのタイミングからやるべきですか?」と聞かれます。
それに対しての回答は、「アポが取れてから商談当日までの間」であればどのタイミングでもOK、です。
要するに、商談が始まるタイミングまでに、しっかり準備ができていれば問題ないのです。
稀に、アポイントを取る前から情報収集をする方もいますが、それはやらなくても大丈夫です。
2.事前準備に費やすべき時間の目安は?


「事前準備に割いていい時間ってどれくらいなんだろう?」
こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
事前準備の時間は1社あたり10~15分(慣れないうちは20分)ほどあれば大丈夫です。
コツとしては、できるだけまとまった時間を確保すること。
商談の事前準備をしてみると分かるのですが、情報収集や仮説を考えるのには、意外と情報の流れを掴むことが大切です。
ところが、細切れの時間で事前準備をしてしまうと、この流れが把握しづらいのでちょっとだけ非効率。
もちろん中には「時間の確保が難しいよ…」という方もいらっしゃるでしょう。(むしろ大多数…?)
先ほどご紹介した下記の記事でも、こんな調査結果が。
商談の事前準備が十分にできない理由は?


【営業300人に聞きました!】プレゼンや商談の勝率は、事前準備で決まる!準備を十分に行う人の7割が成功と回答
(そうですよね…営業って、いろいろあって忙しいですよね…。)
もし、「準備の時間がない!」そんな方であれば…
移動時間の合間や、出社・帰宅の電車の中など隙間時間を有効活用し、せめて「事前準備を何もしていない」という状態だけは避けるようにしましょう。
商談の事前準備、19のチェックリスト


ここからは、明日からスグ使える!「商談の事前準備に使える19のチェックリスト」をお話ししていきます。
基本的に、これから紹介する19のチェックリストを事前に調べ、それを元に仮説を持って商談にのぞめれば、他にすることは無いはずです。
むしろ、商談相手や同行した人から、
「この人…仕事できるなぁ…。」
と言われるレベルまでは引き上がります。
まずは騙されたと思って、これから紹介するチェックリストを5社程度、実際に使ってみてください。
チェックリストは、大きく下記3分類(19項目)です。
- 会社についての概要(HPから)/ 12項目
- 会社についての決算内容 / 3項目
- 商談相手(商談担当者)について / 4項目
それでは、それぞれ詳細に解説をしていきます。
1.会社についての概要(HPから)


会社のHPの概要からは、本当に多くのことが情報取得でき、かつ、そこから商談予定の会社のことの大部分を推測することができます。
今回は、そのうちの主要項目と、なぜその項目を選んだのか?何を推測できるのか?を説明していきます。
代表者の経歴
代表者の経歴を見て、ビジネスサイドの人なのか、技術サイドの人なのかを見て見ましょう。
それによって、会社の方針がビジネスを強く押し出しているのか、技術を押し出しているのかも予測できます。
設立年
どのくらいの歴史がある会社なのかを把握します。
また、設立してから何年経過しているかという情報から、企業のだいたいのステージを割り出すことも可能です。
沿革
今ままでの会社の事業展開の流れや、支社新設の流れ、代表者の交代など、様々な会社の流れを把握することができます。
その流れから、次なる一手がなんなのか?を予測することができます。
決算月
決算月から、次期の予算編成はどこらへんから始まるのか?
決算締めに合わせて、予算の消化の可能性はないか?
など、たくさんの可能性を探っていきます。
株主構成
主要な株主が誰(どの会社)なのかを把握します。
基本的に主要株主の意見はとても強いので、主要株主が誰(どこの会社)なのか、また、どんな特徴があるのかについても調べておきます。
従業員数
どのくらいの企業規模なのかを把握するために活用します。
また、売上や利益が開示されている場合は、その数値を従業員数で割ってみましょう。
そうすると、その会社の従業員1人あたりの売上や利益を出すことができるます。
その数値を元に、競合他社と比較して、優っているのか劣っているのかを予測することもできます。
(経営が上手か、そうでないかの1指標にします)
資本金
だいたいの事業規模を見るのに使います。
尚、資本金から事業規模以上の情報や仮説を作ることは基本的には行いません。
事業内容
商談する会社が、どんな事業をやっているのかを把握するのに活用します。
複数事業がある場合は、複数ある事業同士が、どういったシナジーがあるのか?
なぜ、立ち上げたのか?の仮説を立てて、企業理解を深めていきます。
組織図
どんな組織編成をしているのか?また、それぞれの部署の「役割」、階層構造から「重要度」も推測します。
当日商談する相手が、組織図でいうどの部署に所属しているかも、商談のヒントになります。
主要取引先
その会社の売上を作っている企業郡を主要取引先といいます。
その企業群から、どんな相手を得意としているのか、また、それによりどんな課題に直面しているのかを推測します。
また、会社の売上は、主要取引先の取引量にも影響を受けるので、主要取引先の(少なくとも)業績はチェックしておきましょう。
グループ / 関連会社
グループ会社のメイン事業から、どんな事業を切り出しをして、どんな事業を残そうとしているのかを推測できます。
また、どんなグループ戦略を描いているのかも推測することができます。
口コミなど
その会社のサービスに対しての口コミや評判、また、転職系の口コミ投稿などもその会社を理解するのにともて役立ちます。
例えば、サービス系の口コミを調べるならジャンル別に「エキテン(店舗)」「食べログ(飲食)」「アットコスメ(美容)」、ITに特化した「ITreview」などなど…挙げたらキリがありません。
転職系の口コミだと転職会議やOpeneork、Lighthouseなんかは有名ですよね。
注意をしておきたいのは、口コミを全て鵜呑みにしないこと。
口コミはとても役に立つ反面、感情的な投稿など、結構間違ったものも多く存在しています。
あくまで、話半分でイメージを膨らませるいち情報として捉えておきましょう。
もし事前準備のリストをまとめた資料が欲しい方は、コチラから「事前準備資料が欲しいです」とお問い合わせください。
2.会社についての決算内容(IR情報から)


もし相手の会社が上場して入れば、IR資料(決算資料)から、より詳細に会社の内情を知ることが可能になります。
内情を事前に知ることができると、商談を「より具体的に」「より有利に」進めることができるため、絶対に抑えておくべきポイントです。
決算資料でみておくべきものは、
- 決算短信
- 有価証券報告書
- 決算説明資料
の3つ(2つ)です。(「決算短信」か「有価証券報告書」のどちらかでOK)
それぞれ、ポイントを解説していきます。
決算短信
決算短信とは、会社の四半期ごとの決算内容の速報資料です。
会社の財務状況(損益計算書、賃借対照表、キャッシュフロー計算書)をさっと見ることができるので、純粋に「最近の業績がどうなのか?」を把握することができます。
また、次の業績予想についても言及していることもあるため、先々の業績についても知ることができます。
また、「経営概況」「定性的情報」などといった、会社から株主への経営状況の定性コメントについても目を通しましょう。
商談にも役に立ちますし、現在の経済状況を把握する上でも、とても参考になります。
実際のイメージするために、トヨタの決算短信などを見にいき、ご自身でも想像を膨らませてみてください。
トヨタ決算短信
有価証券報告書
決算短信よりも、もう少し詳しく丁寧に説明している資料が有価証券報告書です。
ただ、決算短信と有価証券報告書は、ほぼ同じと思っても大丈夫です。
※違いについては、コチラの記事を参照ください。
具体的な有価証券報告書は、ソフトバンクを見にいってイメージしてみてください。
ソフトバンク有価証券報告書
決算説明資料
決算短信や有価証券報告書の内容を、グラフィカルに分かりやすく説明している資料です。
決算短信・有価証券報告書の内容を網羅的に分かりやすく記述をしていますが、たまに決算資料にしか書いていない情報も入っているので、チェックが必要です。
また、決算短信や有価証券報告書はテキスト中心の情報なので、テキストが苦手な方はコチラを参考にするのでも良いでしょう。
具体的な決算説明資料は、メルカリを見にいってみましょう。
メルカリ決算説明資料
もし事前準備のリストをまとめた資料が欲しい方は、コチラから「事前準備資料が欲しいです」とお問い合わせください。
3.商談相手(商談担当者)について


会社について事前調査が終わったら、次は、商談相手についてもしっかり調べましょう。
なぜなら、通常あなたのサービスを購入するという判断に、商談相手の意思がかなり色濃く反映されるからです。
いくらあなたのサービスが「いいサービス」であったとしても、あなたの目の前に現れる商談相手に心を動かさない限り、契約・購入といったアクションは起こりません。
相手の会社にとってメリットがあるだけでなく、
- 商談相手の悩みやミッションを解決できる
- 商談相手の社内での評価を上げることができる
- 社内の稟議に上げやすい
この様に、商談担当者の人にとってもメリットがあることを示すには、まずは商談相手のことを知っておくことが必要です。
ここでは代表的な、下記4点について解説をしていきます。
- 所属部署
- ご経歴
- 知り合い・繋がり
- インタビューやセミナー記事
所属部署
商談相手(商談担当者)の所属部署については、事前に調べておきましょう。
通常であれば、企業の担当者は所属している部署のミッションに沿って「仕事内容」や「目標」が決まっています。
そのため、どんな部署に所属していて、上司はどんな人なのか?を事前に把握できることは、商談を優位に進めるために必要不可欠な要素なのです。
どのように調べるかというと、
- 後述する担当者の「経歴を知る方法」で調べる
- 事前に電話で聞く
- コチラからメールを送付し返事をもらい、その署名を確認する
こんな方法があります。
とにかく、可能な限り、相手の所属部署の情報は取得できるように努力しましょう。
ご経歴
担当者の方が、今までどんな経歴を歩んできたのかを把握することも、結構重要です。
- どんな会社に、どのくらいの長さ勤務してきたのか?
- それぞれの会社で、どんな部署や役割(役職)を果たしてきたのか?
- 今の会社に勤めて、何年くらい経過しているのか?
など、相手本人や、その人を雇用している会社の狙いなどを推測することが可能です。
具体的に経歴を知る方法は、FacebookやTwitter、Eightで探してみることもいいですし、担当者の方のお名前を、Googleで検索してみるのも有効でしょう。
知り合い・繋がり
FacebookやTwitter、Eightで共通の知人がいないか?他にも誰とつながっているのか?も確認しておきましょう。
なぜなら、どんな人とつながっているかで、その人の何となくの好みや性格などが事前に知ることができるからです。
好みや性格を事前に知ることができれば、当日の商談の進め方やNGワードなども事前に準備することが可能です。
インタビュー記事や、セミナー登壇記事
これまで紹介してきた項目に比べると、あくまで参考程度でOKレベルにはなりますが、余裕があればインタビュー記事やセミナー登壇記事を調べてみましょう。
その人の語っている内容から、その人の会社でのミッションや考え方、今後、力を入れていきたいことなどが情報収集できることもあります。
もし事前準備のリストをまとめた資料が欲しい方は、コチラから「事前準備資料が欲しいです」とお問い合わせください。
商談前に、事前に仮説を立てよう


「相手や相手の会社について詳細に調べられたわ〜」
で安心していませんか?ここからが、事前準備の真骨頂である「仮説を作る」作業です。
情報収集だけして商談に臨むのは、相手からすると、
- 「物知りな人だな」
- 「よく調べてきた(だけの)人だな」
という印象しか残りません。
- 「この人…できる」
- 「ぜひ、あなたに仕事をお願いしたい」
と思ってもらい、契約まで進めたいのであれば、必ず仮説も持って商談に臨みましょう。
具体的に仮説として考えておくべきポイントは下記7点です。
- アポが取れた企業はどんな課題を持っているのか?
- 担当者自身は、どんな課題とミッションを持っていそうか?
- 会社の課題、担当者の課題に、自社のサービスがどう役に立てそうか?
- 提案だったら、乗り気になってくれそうか?
- その提案は、相手にどれくらいのメリット(数値)を提示できそうか?
- 担当者が納得してくれたとして、契約まではどんなハードルがありそうか?
- 商談当日の流れをイメージしておく
7つのポイントの中で、少なくとも3つくらいは想定してから商談に臨むとGOODです。
「毎日忙しくて、アポイント全て仮説なんて考えられないよ…」という方もいらっしゃるかもしれません。
その場合は、せめてこの1社!という会社だけでもいいです。1度、事前準備と仮説を用意して商談してみてください。
やってみて初めて、事前準備で落ち着いている自分と、商談相手の反応の違いに気が付くはずですよ。
もし事前準備のリストをまとめた資料が欲しい方は、コチラから「事前準備資料が欲しいです」とお問い合わせください。
商談に事前準備は必須である!


いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、
- 事前準備の質が、商談の成果を何倍にもする
- 商談の事前準備は、「いつ」「どれくらい」やるべきか?
- 商談の事前準備、19のチェックリスト
- 商談前に、事前に仮説を立てよう
について、お話をしていきました。
忙しい営業職の方にとって、事前準備は後回しにしてしまうものの筆頭格でしょう。
しかし、確実にデキる営業マンは事前準備をしっかりしていますし、顧客もそれを潜在的に求めています。
また、事前準備は契約率に大きく影響しますので、必ず事前準備に時間を割ける様にしておきましょう。
ぜひ事前準備をマスターして、「デキる営業マン」になってくださいね。
今回は、以上です。