「お前の話はロジカルじゃない」と言われて、傷ついている…
ロジカルシンキングの重要性は理解できたけど、具体的にどうすれば身につくのかわからない…
今の仕事に、ロジカルシンキングを活用したい
こんなことを思っているあなたは、この記事を読むと下記のことが分かります。
本記事のサマリ(概要)
- ロジカルシンキングとは何なのか?を理解できる
- 「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」「ラテラルシンキング」の違いがわかる
- ロジカルシンキングの基本的な手法・フレームワークがわかる
- ロジカルシンキングの鍛え方5つの方法がわかる
- ロジカルシンキングの注意点
本記事の信頼性(誰が書いてるの?実績あるの?)
- 営業歴は12年以上。BtoB営業が得意。
- 元リクルートのTOP営業(個人表彰・マネジメント表彰、多数)
- 現場型の経営・営業コンサルティング会社を経営中
- 中小・ベンチャー企業の営業支援と成果出しの実績も多数
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そんな私が書いたこの記事を読むことで、昨日より、ロジカルシンキングに強くなりますよ。
参考記事>>>【決定版】営業に求められる10のスキルと習得方法を解説
そもそもロジカルシンキングとはどのようなもの?
ロジカルシンキングとは感情論で考えるのではなく論理的に思考することをいいます。
経営の分野で生まれた言葉であるため、英語の辞書には「logical thinking」が掲載されていないこともあります。
企業経営やビジネスシーンには、ロジカルシンキングが数多く求められます。
物事を感覚的にとらえるのではなく、論理に従って体系的に整理するのが、ロジカルシンキングの基本的な思考法です。
ロジカルシンキングでは、目の前の問題を要素ごとに仕分けしたり、視点を変えて分析したりといった手法が使われます。
思考の過程で矛盾や論理の飛躍が起きないよう、筋道を立てて考えることも重要です。
ロジカルシンキングが日本で広まった背景
ロジカルシンキングという概念が広まったのは、2001年に発売されブームを巻き起こした本「ロジカル・シンキング」(照屋華子・岡田恵子共著)の影響です。
ロジカル・シンキングはいわば、ビジネス本に分類される書籍で、発売するやいなや、当時の経営者やビジネスマンの話題となりました。
それまでの日本人には真面目さや根性といった精神論がまかり通っており、ロジカルシンキングという考え方は浸透していませんでした。
しかし書籍のヒットをきっかけに、日本では少しずつロジカルシンキングの考え方が広まっていったのです。
ロジカルシンキングとそのほかの思考法の違いとは
ロジカルシンキングとよく似た言葉として、クリティカルシンキングやラテラルシンキングという言葉が使われることがあります。
クリティカルシンキングとは批判的思考、ラテラルシンキングとは水平的思考のことです。
ロジカルシンキングとこれらの言葉はどこが違うのか、チェックしてみましょう。
1. クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキングとは、批判的思考を指します。
とはいえ、物事をとにかく批判するというのはクリティカルシンキングの本質ではありません。
クリティカルシンキングでは、「本当に正しいのか」「間違ってはいないか」という視点をもとに思考を展開します。
ときには情報収集や分析をおこない、思考が正しいのか否かを客観的に判断します。
2. ラテラルシンキングとは
ラテラルシンキングはこれまで常識とされてきた既成事実や既成概念からの脱却を図る方法です。
固有の枠組みにとらわれず、オリジナルのアイディアを導き出すことが重要です。
また、前提条件を疑い、フラットな考え方をしたり新しい視点を探したりするのも、ラテラルシンキングの手法です。
ロジカルシンキングの基本的な手法やフレームワーク
書籍「ロジカル・シンキング」によると、ロジカルシンキングの実践には、
- MECE(ミーシー)
- So What(ソーワット)
- Why So(ソーワイ)
という考え方が必要です。
また、具体的に思考を巡らすときには帰納法(きのうほう)や演繹法(えんえきほう)、ピラミッドストラクチャーやロジックツリーといった考え方をすることもあります。
ここからは、ロジカルシンキングに活用できる考え方やフレームワークについてみていきましょう。
1. MECEとは
MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略語で、「漏れがない」「重複がない」という意味をもちます。
思考に漏れや重複が起きていては論理立てて物事を考えることはできません。
常にMECEを意識することで、話の重複や漏れ、論点のズレを防ぐことができます。
2. So What、Why Soとは
ロジカルシンキングに必要なSo Whatとは「つまり」、Why Soとは「なぜ」を意味します。
つまりどういうことなのかを考えることは結論に近づくことにほかなりません。
また、なぜなのかを問いかけることは、原因や理由を深く掘り下げる思考法です。
目の前の問題に対してSo What、Why Soという考え方を持つよう意識し続ければ、思考はどんどんクリアでわかりやすいものになっていきます。
3. 帰納法とは
帰納法は、複数の事例を挙げ、その共通点から新たな結論を導き出すという考え方です。
帰納法を使えば、既存の実例とは異なる新たな視点を発見することが可能となります。
ただし、論理の飛躍が起きて破綻してしまうケースもあるので注意が必要です。
4. 演繹法とは
演繹法はいくつかの実例や情報を論理的に組み合わせ、結論を導き出す考え方です。
演繹法の考え方は三段論法に似ています。
演繹法では、すでに事実であると認められる情報をいくつか集め、一定の基準に基づいて物事を整理していくのです。
5. ピラミッドストラクチャーとは
ピラミッドストラクチャーは、ピラミッドの頂点に結論や重要な主張を置き、その土台に論拠を配置するという考え方です。
論拠にあたるピラミッドの下部は広くなっているため、幅広い思考を取り入れることができます。
これに対して結論の部分は頂点にあり、範囲が狭いため限られた論理しか置くことができません。
ピラミッドの形に合わせて論理をまとめるピラミッドストラクチャーを意識すれば、結論や根拠が伝わりやすくなるのです。
6. ロジックツリーとは
ロジックツリーは課題や問題をツリー型に分解して把握する手法です。
ロジックツリーには、以下の3つの要素があります。
- 要素分解ツリー
- 原因究明ツリー
- イシューツリー
要素分解ツリーでは問題を把握したあとに部分ごとに分解して分析します。
原因究明ツリーでは因果関係を究明に、そして、イシューツリーでは目的や論点を冷静に洗い出します。
この3つのツリーをフレキシブルに使うことで、論理的な視点を得ることができます。
ロジカルシンキングを鍛える5つの方法
ロジカルシンキングにはいくつもの手法があります。
知識としてロジカルシンキングの手法を把握していても、実践しなければ思考法はなかなか身につきません。
普段から意識的にロジカルシンキングのトレーニングをおこない、ビジネスの場で役立つ思考法を獲得しましょう。
ここからは、ロジカルシンキングの鍛え方をご説明いたします。
1. 日常的にロジカルシンキングをおこなう
普段から物事を論理的に考えるよう癖付けることは、ロジカルシンキングを鍛えるための有効策です。
たとえば、普段見落としがちなものにあえて注目して「なんだろう」「なぜだろう」と深堀りしてみましょう。
また、複雑な問題に直面したときに、漏れや重複が起きないよう整理することも、良いトレーニングになります。
意識的にロジカルな思考を持とうとすると、始めのうちは思考に時間がかかったり疲労が起きたりすることもあるものです。
しかし、継続的にロジカルシンキングのトレーニングをしていれば、思考のスピードがアップし、負担も少なくなっていきます。
2. 具体的な表現を意識する
日々の会話のなかで抽象的な表現を使ってしまうケースは多いものです。
ロジカルシンキングをおこなうときには、言葉に具体性をもたせるよう意識しましょう。
たとえば「がんばります」とだけ伝えても、具体的に何をするのかがわかりません。そこで、目標を明確に語ることで、聞き手の興味を引き出すことができます。
また、5w1hを意識し、具体的な時間や場所、方法などを伝えることも重要なポイントです。
3. 仮説を立てて物事を考える癖をつける
問題に直面したときや、新たな道を開きたいときには、仮説を用意する癖をつけましょう。
仮説を立てれば、やみくもな考え方からの脱却が可能となります。
仮説を立てるときには、その根拠についても思考するのがベターです。
情報を集めるなどの工夫をして仮説を強化していけば、有用なアイディアへとブラッシュアップできます。
4. 結論から伝えることを意識する
ロジカルシンキングに慣れている人は、ビジネスの場でまず結論を提示し、続いてその理由や根拠を述べていきます。
ロジカルシンキングの思考を身につけるためにも、まず結論を話すことを心がけましょう。
結論を後回しにした場合、聞き手側は論理の着地点を把握できません。
すると、話を聞いている途中で集中力が切れ、興味を失ってしまうことがあるのです。
結論を最初に提示すれば、論理が整理され、話の内容がわかりやすくなります。
また、その後に続く説明によってなぜそうなるのかが補強されるので、内容がより伝わりやすくなるのです。
5. 自身の思考を客観的に分析する
人間には、自身の感情を主観的にとらえる性質があります。
しかし、主観的な思考はときに思い込みにつながることもあります。
ロジカルシンキングをおこなうときには意識的に主観を捨て、客観的な視点で考えてみましょう。
また、思考プロセスの中で先入観をもたないよう意識することも大切です。
ロジカルシンキングをおこなうときの注意点
ロジカルシンキングはビジネスの効率化を実現する上で役に立つ考え方です。
ビジネスシーンで説得力のある意見を出し、課題や問題を打開していくためにも、ロジカルシンキングの手法をマスターしておきましょう。
ここからは、ロジカルシンキングをおこなうときに気をつけたい点についてお話しいたします。
1. 因果関係を正しく把握する
人の脳はときに、原因と結果などの因果関係を取り違えてしまうことがあります。
たとえば「必要は発明の母」という順序であればロジカルシンキングができますが、発明は必要の母となってしまうと、因果関係があべこべになってしまいます。
ロジカルシンキングでは、原因から結果へ、過去の事象から未来へといった一方通行の考え方をします。
正しい時系列でロジカルシンキングをすれば、大きな混乱は起こりません。
2. 突発的な出来事が起こる可能性を考慮する
論理的な視点からでは考えがたいようなイレギュラーな出来事が現実に起こるケースもあるものです。
いくら論理的に正しいと主張しても、突発的な出来事が起これば、ロジカルシンキングの通りには進まなくなってしまいます。
論理だけを重視するのではなく、現実にどのような出来事が起こっているのかを冷静に見極め、柔軟に考えていきましょう。
3. 未来の出来事を予測できないこともある
ロジカルシンキングでは、前例をもとに情報を整理して結論を導き出していきます。
ロジカルシンキングをおこなうにあたっては、過去に起きた出来事やこれまでに常識とされてきたことなどの前例が必要不可欠です。
前例がない出来事をロジカルシンキングで考えることはできません。
ロジカルシンキングは、新たなものを生み出したいときや未来の出来事を予測したいときには不向きの考え方なのです。
4. 論理だけで解決できないケースもある
ロジカルシンキングはビジネス上有効な考え方ですが、どのようなときにでも使えるわけではありません。
人とのコミュニケーションのなかではときに、感情を優先させるべきタイミングもあります。
喜怒哀楽をはじめとした感情の表現を論理で説明しようとしても、なかなかうまくはいかないのです。
状況によっては、ロジカルシンキングに基づいた情報を提示するのではなく、感情を表に出してコミュニケーションを取ったほうがうまくいくこともあるので、それぞれの手法をフレキシブルに使い分けましょう。
ビジネスの場で活用できるロジカルシンキングの手法をマスターしておきましょう
ロジカルシンキングは営業やミーティングなど、ビジネスシーンのあらゆる場面で活用できます。
普段から論理的に考える癖をつけておくことが、ロジカルシンキングを身につけるためのポイントです。
ロジカルシンキングのトレーニングを続けることで提案力や問題解決能力はどんどん向上していきます。
これまで感情的に考えていたことを整理し、論理立てて考えるよう意識してみましょう。