営業を始めたばかりだけど、どんなスキルを身につければいいか知りたい。
いまいち営業の成果が上がらない…。自分のスキルに問題があるのかな?原因を知りたい。
以前は営業成績がよかったが、最近ふるわない。何か突破口はないかな…?
こんなことを思っているあなたは、この記事を読むと下記のことが分かります。
本記事のサマリ(概要)
- 営業マンが「身につけたいスキル」と「身につけるべき10のスキル」がわかる
- 「新規開拓営業」において必要なスキルがわかる
- 営業スキルを効率的に習得するための「6つのポイント」が理解できる
営業マンは、営業に必要なスキルを十分に磨き、成果を上げていく必要があります。
多岐にわたるスキルをバランスよく身につけることが、営業マンとしての確かな成長につながるのです。
そこで今回は、営業に必要なスキルについて具体的に解説いたします。また、スキルの習得方法も紹介しますので、ぜひチェックしてみましょう。
本記事の信頼性(誰が書いてるの?実績あるの?)
- 営業歴は12年以上。BtoB営業が得意。
- 元リクルートのTOP営業(個人表彰・マネジメント表彰、多数)
- 現場型の経営・営業コンサルティング会社を経営中
- 中小・ベンチャー企業の営業支援と成果出しの実績も多数
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そんな私が書いたこの記事を読むことで、営業で身につけるべきスキルと習得方法がわかり、営業成果につながりやすくなりますよ。
営業マンが「身につけたい」と考えているスキルとは?
まずは、クロス・マーケティング社がウェブ上で実施したアンケートを紹介いたします。
こちらのアンケートでは、20~30代かつ営業マンに就いている正社員、契約社員1,500人に向けて、営業に必要だと思うスキルについて尋ねています。
調査で最も多かったのは「課題発見力」で、割合は11.44%でした。
2位以降は、
- ヒアリング力
- 対人コミュニケーションスキル
- 情報収集力
- ロジカルシンキング力
となっています。
ただし、無形商材を扱っている営業マンの多くは、課題発見力ではなくヒアリング力を1位に挙げています。
また、無形商材を扱う営業マンは、ロジカルシンキング力を比較的上位に挙げました。
情報をまとめてわかりやすく相手に提示できる人や物事を論理的に考えられる人、話を聞いたりコミュニケーションを取ったりすることが好きな人は営業マンに向いています。
効果的な営業をおこない契約を取っていくためには、これらの多岐にわたるスキルを身につけていく必要があるのです。
営業マンが「身につけておくべき」10のスキル
営業マンは成績アップを目指し、日々の営業業務をおこないます。
成績には個々の営業スキルが如実に現れるため、多くの営業マンがスキルアップを目指し試行錯誤しています。
ここからは、営業マンに求められるそれぞれのスキルの特徴や身につけ方についてみていきましょう。
1. コミュニケーションスキル
コミュニケーションは営業の基本です。
話すことが好きな人や得意な人、初対面の人とでも気軽に会話ができる人は、営業マンに向いています。
とはいえ、営業においては顧客とただコミュニケーションを取ればよいというわけではありません。
営業では顧客が抱える問題について聞き出したり、一緒に解決策を話し合ったりというフローが必須となります。
この営業の流れのなかでうまくコミュニケーションを取ることができなければ、営業が成功する可能性は下がってしまいます。
コミュニケーションスキルはしばしばトーク力と同じようなものとして扱われます。
しかし、コミュニケーション力とトーク力はまったく違います。
たたみかけるようなトーク力で一方的に商品やサービスを売りつけようとする営業マンもいます。
しかし、この方法は顧客に嫌がられてしまうこともあるものです。
多くの人と話をして会話のバランスを探ることは、コミュニケーションスキルを底上げすることにつながります。
営業の仕事をする人は、とにかく人と会って話をすることが大切です。
2. ヒアリング力
ヒアリング力は傾聴力と呼ばれることもあり、営業においては顧客の話に耳を傾けることが大切です。
顧客へのヒアリングは、営業に欠かせない基本的なフローです。
営業の仕事で成果を上げていくためには、コミュニケーション能力とともにヒアリング力も高めておきたいものです。
営業の現場では、話すことと同じくらい聞くことも重視しましょう。
自身の主張だけを話していても、相手の心を開くことはできません。
それどころか、相手がイライラしたり失望したりしてしまい、営業がうまくいかなくなる可能性も考えられます。
相手の話をよく聞いて共感することは、顧客との信頼関係を構築することにつながります。
まずは相手の話や相談をよく聞き、営業の糸口になるようなヒントを見つけてみましょう。
高いヒアリング力で顧客が求めていることや顧客が抱えている問題を聞き出し、その部分をカバーできるような商品やサービスの提供について説明することが、営業を成功させるポイントなのです。
3. ロジカルシンキング
ビジネスにおいては、物事を直感的または感情的に考えるのではなく、ロジカルシンキングでとらえるようにしたいものです。
ロジカルシンキングは論理的思考とも呼ばれます。
ロジカルシンキングでは、情報に基づいた根拠を提示したり、矛盾や破綻が起こらないよう主張を整理したりしながら話をします。
まず結論を提示してからその根拠を話すロジカルシンキングの手法は大きな効果をもちます。
先に根拠を明確に示すことで要点が伝わりやすくなり、相手に話の内容を印象づけることができます。
また、根拠を伝えるときにあえて論点を絞って短時間で商材の魅力を伝えることも大切なポイントです。
ロジカルシンキングは課題を可視化したいときに役立ちます。
顧客が抱えている潜在的な問題を言葉にしたり、自身の営業力を高めたりしたいときにも、ロジカルシンキングを活用してみましょう。
ロジカルシンキングの手法は営業の場面で頻繁に活用されます。
商材の魅力を効率的に伝え顧客の心をつかむためにも、ぜひロジカルシンキングの手法をマスターしておきたいものです。
4. タイムマネジメントスキル
タイムマネジメントスキルとは、時間を有効活用する能力のことです。
ダラダラと仕事をしていては、当然ながら生産性はなかなか上がらないものです。
時間を有効活用するためのマネジメントを自らおこなうことが、業務効率を高めることにつながっていきます。
タイムマネジメントにあたってはまず、自身の営業活動をどのような形でおこなっているかを振り返りましょう。
業務プロセスを整理して適切な時間配分をおこなうことも大切なポイントです。
タイムマネジメントにはアナログな手帳を使ってもよいのですが、近年ではスマホやタブレットなどでタイムマネジメントをする営業マンも増えています。
お好みのアプリを導入し、限られた時間を有効活用する工夫を講じてみましょう。
5. クロージング能力
クロージングとは、営業の締め段階のことをいいます。
顧客の悩みや課題を聞き取り、ニーズに合わせた方法を提案するのが営業の基本的なパターンです。
しかしこの段階で、商品やサービスをどうしても売りたいという焦りからしつこく売り込みを続けると、顧客の熱が冷めてしまうことがあるのです。
顧客が不快感を覚えるほど長時間にわたって営業を続けても、良い結果は得られません。
営業である程度売り込みをおこなったあとには、さっぱりと割り切ってクロージングに移りたいものです。
クロージングによって会話の内容に変化が生じたことをきっかけに、顧客が購入を決断するケースもあります。
どのタイミングでクロージングをおこなうか、どのようなクロージングトークで顧客の購買意欲を刺激するかといった点に悩む営業マンは少なくありません。
たとえば、顧客と懇意になるためのトークをおこなったり、すでに商品やサービスを利用している人からの評判を伝えたりといった方法であれば、顧客の興味を引き出せる可能性があります。
クロージングトークの技術で多くの契約を獲得している営業マンもいるものです。
トークスキルを磨きたいと考えているのなら、クロージングトークを工夫することから始めてみましょう。
6. 情報収集力
幅広い情報を集めておけば、営業の現場で役立てることができます。
営業マンは商品やサービスに関する情報、自社の情報などにはある程度詳しいと思います。
しかし、商材や自社企業以外の情報をほとんど持ち合わせないまま営業をおこなっている方もいるものです。
多くの情報を集めておけば、自社商品と他社商品を比較して話したり、商材の有効性や購入メリットを明示したりと、営業トークをどんどん広げることができます。
他社の営業マンを上回る情報を集めておくことが、営業を成功させるためのカギとなります。
営業の仕事で成果を出すためにも、常にアンテナを立てて幅広い情報を集めておきましょう。
7. 分析力
集めた情報や、知識を分析するスキルもぜひ身につけておきたいものです。
営業の領域では多くのデータを取り扱います。
分析力が高い人は、データ全体のなかでとくに重要なのはどのポイントなのか、そのデータによってどのような主張ができるのかといった点を瞬時に感じ取ります。
また、課題や問題を分析して解決策を導き出すことも、営業マンに欠かせない能力です。
優秀な営業マンは、顧客自身が気づいていない課題を見つけ出し、分析して解決策を提示することがあります。
一緒に解決策を考えてくれる営業マンがいることは、顧客にとって大きな安心材料になります。
営業をスムーズに進めるためにも、分析力を高めて課題解決のロジックを構築するスキルをマスターしておきましょう。
8. 戦略性
戦略性とは、どのように勝ち進んでいくべきかを筋道を立てて考えるスキルです。
カーナビゲーションは目的地を入力するといくつかのルートが表示されますが、戦略性はこれに近い考え方です。
戦略を練るというのは、複数の道筋を考え、どのルートでアプローチをおこなうのがベストなのかを分析していくことなのです。
カーナビゲーションの場合には、有料道路や一般道を優先するルートや最短ルートが表示されます。
これと同じように、戦略を立てるときにはそれぞれのアプローチ方法の優劣や損得を考える必要があります。
何通りもある選択肢から最適なプランを見極めれば、より効果的に営業をおこなえるのです。
豊富なプランニングから最適な道を選べるのが、戦略性を意識して営業のアプローチをおこなうメリットです。
事前に綿密なプランニングをおこなえば、フレキシブルに道筋を変更しながらアプローチすることが可能となります。
9. 行動力
営業マンがすべての顧客に歓迎され、じっくりと話を聞いてもらえるということはまずありません。
多くの場合、営業の仕事は断られることの連続です。
一度断られて尻込みしてしまい、次への行動に移れなくなってしまっては、営業の仕事は務まりません。
失敗を気にせず、どうすれば話を聞いてもらえるのか、どのような工夫をすれば契約が取れるのかを自ら考えて動きましょう。
ときには先手を打ち、顧客のニーズを見据えたアプローチをすることも重要です。
ほかに、セミナーや営業研修に参加したり、自ら営業に関する勉強をしたりといった行動を起こすことも、大きなスキルアップにつながります。
能動的に動き続けることは、営業の成功率をアップさせるための有効な方法といえます。
10. 課題発見力
営業の基本は、顧客のニーズや課題を見極め、最適な提案をおこなうことです。
そのためにも、顧客が何を求めているのかを瞬間的に察知する能力を磨きましょう。
視野を広げて考えることが、目の前の相手がどんな問題を抱え、何に困っているのかを把握するための有効策です。
顧客との中長期的な付き合いのなかで対話を重ねれば、顧客自身が気づかない潜在的な問題に気づくことができるかもしれません。
実際にリクルート社が実施したアンケートでも、課題発見力は最も必要なスキルとして挙げられています。
親身になって課題を探すこと、またそれを解決することで、顧客からの信頼を得ることができます。
顧客とは異なる目線で課題を模索し、見つかったときは顧客とともに問題を解決していく姿勢を見せるとよいでしょう。
新規開拓営業において必要なスキルとは?
営業のなかでもとくに難易度が高いといわれるのが、新規開拓営業です。
新規開拓というと、飛び込み営業やテレアポを連想する方もいるかもしれません。
もちろんこういった手法で新規開拓をおこなう例もありますが、近年ではメールやSNSを使った新規開拓営業をするケースが増えてきました。
また、異業種交流会やセミナーを営業のきっかけにしたり、ブログやオウンドメディアをきっかけにして営業をおこなったりするのも有効な方法です。
新規開拓をおこなうときにはコミュニケーションスキルやヒアリングスキルを発揮し、人との接点をどんどん作っていきましょう。
新規開拓営業では初対面の人とやり取りをすることになります。
このとき、顧客は商材に関する知識を何も持ち合わせていないことがほとんどです。
初対面の人間の営業トークに心を開いてくれる人は、残念ながらそれほどいません。
新規開拓営業において重要なのは十分な情報を集めることです。
営業対象となる個人や法人がどのような問題を抱えているのか、どんなものを求めているのかといった点を細かくリサーチしておけば、実際の営業にフィードバックできます。
徹底的な情報収集で見込みのあるターゲットを見極め、リストやデータベースを作成しておきましょう。
法人営業の場合には、相手先が予算を動かしやすい決算月前に営業をかける手法が効果的です。
ホームページなどをチェックし、営業に最適なタイミングを見極めましょう。
実際に顧客と会って営業をおこなうフェーズでは、コミュニケーションスキルやトーク力を発揮して、どんどん距離を縮めていきましょう。
また、会話のなかで必要な情報を聞き出したり、顧客の課題を見極めて対策法を説明したりすることも重要です。
難しそうに思える新規開拓営業ですが、身につけたスキルをフル活用すれば成約に至る可能性は低くありません。
スキルを磨くことを常に意識しながら、さまざまなアプローチでの新規開拓営業をおこないましょう。
営業スキルを効率的に習得するための6つのポイント
営業のスキルを短時間で身につけるのは至難の業といえます。
しかし、営業で成績を出していくためには、早い段階で数多くのスキルをマスターしておきたいものです。
営業に必要なスキルは効率を重視しながら習得していきましょう。
ここからは、スキルを身につけるコツについて紹介します。
1. コミュニケーション能力の身につけ方
コミュニケーションは営業の基本要素です。
しかし、人との会話のときについ緊張してしまい、なかなか会話が弾まず悩んでしまう営業マンもいるものです。
コミュニケーションのテクニックは、コミュニケーションスキルが高い人を真似することで身につきやすくなります。
鋭い観察眼を持ち、先輩や同僚のコミュニケーションのよいところをどんどん真似していきましょう。
会話のバランスを客観的にチェックすることも大切なポイントです。
自身が話しすぎていないか、相手の話を聞けているかを会話のなかで分析すれば、コミュニケーションにおけるバランス感覚が身につきやすくなります。
2. ヒアリング力の身につけ方
話し上手であり、かつ聞き上手でもあるというのが、営業マンの理想の状態といえます。
営業をするときに顧客に丁寧に寄り添って話を聞けば、必要な情報を多く集められます。
顧客との会話のなかで確かなサインを見逃さないようにしておき、顧客から多くの情報を聞き出しましょう。
会話のなかの5W1Hを拾い上げれば、顧客のニーズや課題を把握しやすくなります。
また、顧客が抱えている問題や困りごとを聞き出すことで、適切な売り込みにもつなげられます。
3. ロジカルシンキングの身につけ方
ロジカルシンキングは普段の考え方や、話し方を少し変えるだけで身についていきます。
普段考えごとをするときには直感的に物事を見るのではなく、論理立てて考えましょう。
また、話をするときには、まず結論を述べ、その理由や根拠をあとから述べることが大切です。
根拠に基づいた仮説を立て、それを軸に論理展開するトレーニングも有効です。
論理展開をおこなうときには結論を意識し、情報を丁寧に整理します。
余計な情報を入れず、必要な情報のみを無駄なく盛り込むようにすれば、要点が相手に伝わりやすくなります。
普段から論理的に考える癖をつけておき、営業の場でロジカルシンキングを大いに活用しましょう。
4. タイムマネジメントスキルの身につけ方
タイムマネジメントスキルを身につければ、時間を効率的に使えるようになります。
業務の効率をアップさせるためにも、普段から時間を意識しながら行動してみましょう。
とくに、業務や予定に優先順をつけて、優先度の高いものにできるだけ時間や労力を割くことが重要です。
アプリやツールを使えば、ToDoリストを作ったり業務を優先順に振り分けたりといった工夫ができます。
業務の目標を設け、どのタイミングでどのタスクをどれだけ終えるかを細かく設定しておくのも有効な方法です。
もちろん、すべてが目標通りに進むとは限りません。
予定と実際の進捗にズレが生じたときには都度立て直しをおこない、業務を上手にコントロールしていきましょう。
5. 戦略的思考の身につけ方
営業マンには戦略的な考え方が必須です。
戦略的に物事を進めるためには、ゴールや目標地点を設置することが肝心です。
まず、目標とするポイントを定めたら、その目標点までどのような筋道でアプローチすべきかを考えましょう。
戦略を立てるときには多くのアプローチが見つかりますが、実際に選択できる道は1つだけです。
どのアプローチが最適なのかを見極め、取捨選択をしながら計画を進めていきましょう。
優先度が低く、不要と思われる選択肢をためらいなく捨てる判断ができるよう、思考をブラッシュアップしていきましょう。
普段の何気ない行動のなかで戦略を立てたり取捨選択を意識したりといったトレーニングをすれば、戦略的思考はどんどん高まっていきます。
6. 課題発見力の身につけ方
課題を発見するためには、当事者意識を持って常にアンテナを立てておくことが大切です。
周囲の人の会話から現状の問題点を見つけたり、商談の場で相手を観察して課題を見極めたりできるよう、注意深く周りを観察する習慣をつけましょう。
また、情報を集め知識の幅を深めておくことも重要なポイントです。
普段から、ニュースやSNSのチェックを通して最新の情報を手に入れておきましょう。
多くの情報や知識を持ち合わせていれば、課題や問題点にも目が届きやすくなります。
営業活動で成果を上げるために必要なスキルをどんどん伸ばそう
営業マンにはコミュニケーション能力やヒアリング力、ロジカルシンキングを始めとした数多くのスキルが必要です。営業活動で確かな成果を上げていくために、基本的なスキルを磨いておきましょう。
スキルを磨くためにも、社内外の研修やセミナーには積極的に参加したいものです。
また、論理性や戦略性を意識した思考を普段から心がけることも、営業スキルの向上につながります。
普段からスキルアップを意識しておけば、新規開拓営業など難易度の高い現場でも確かな能力を発揮できるようになります。